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います。
もちろん、だれもが当たり前に仕え合って暮らしていくということは、例えば阪神・淡路大震災という非常に非日常的なことがありましたが、それをいかに日常の部分で当たり前にしていくことができるか、というような大きな使命を持っているのではないかと思います。
具体的には、私はあまり悩みがない人間なのでストレスもないのですが、若くない人は「YMCAという名前から来る感覚で言うとヤングマン(若い人)なので、行ったらあかんのかな」という意識があり、敷居が高いようです。
事実、ボランティア教育というような位置づけもありましたので、例えばそれが小学生、中学生、高校生であったり、また大学生が野外活動やキャンプなどに子ども達を連れて行ったりといった若い子たちの運動だったのですが、若い人だけではやっぱりいけないということを今思い出しています。どういう形でそれができるのかなということが、私たちの団体の1つの課題であるかなと思っています。
それから、今のことにもつながりますが、私ぐらいの年代の“企業人”と呼ばれている人たちは、ボランティアというものに対して開かれていないという気がします。
アナ・ミヤレスさんはバンカーから転身ということでしたが、私はコンピューターの会社に2年ほど勤めていました。アナさんのようにディレクターでもなかったのですが、企業の中ではボランティア的なことをするということに対して、壁がまだまだ厚いかなという感じがします。しかし、働き盛りの年代の人がもっと参画をしていくためには何が必要なのか、ということを今一生懸命に考えています。
例えば、これは熊本県の例ですが、都市規模は岡山と同じ約60万人ですが、熊本YMCAは非常に大きな働きをしています。予算の規模で言えば岡山の20倍ぐらいの働きです。
その熊本YMCAの最近の動きですごいなと思うのは、“フィランソロピー”という企業の社会貢献をするグループをYMCAが事務局をしながら発足をさせていることです。これは、地域のいろいろな企業の方たちにこのフィランソロピー協会に登録をしていただき、企業人の方がボランティアに積極的に参画できるような仕組みをつくっています。岡山でもこういうことが出来てくるといいなと思うのですが、私達の働きもアプローチも少ないせいもあるのでしょうが、まだまだ難しいかなと思っています。
95年、「わたぼうしコンサート」というのをしたのですが、そのときは結構いろいろな企業の方が参画をしてくれました。やはりこれからはそういう仕掛けを考えていく必要があると思います。

 

●官・民・学の協同により、地域がより良く変わる

 

3つ目は、官(行政)・民(企業)のことです。民の部分との共同もそうですし、あとは官との共同、それから学校との共同というようなことを、今後どのようににしていけるのかということを考えなければならないと思います。
安宅市長もおっしゃられましたが、立場が違いますので、そのことに対して“どちらがどうだこうだ”とかは言えないのですが、少なくとも共通理解として持っておきたいのは

 

 

 

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